ヒーローインタビュー

2006年05月12日

vol.12_01.jpg『まさか、私が石井琢朗さんの記録達成記念インタビュー…!?』 と叫んだのは、5月10日の夜でした。そのワケとは…。

プロ野球の横浜ベイスターズに関わる仕事をするようになって4ヶ月。シーズンオフ期間放送の 『ベイスターズくらぶ』、そしてペナントレースが始まってからは 『ベイスターズナイター』 で試合中のリポートや、監督インタビューを “野球初心者” ながら担当しています。スコアをつけられるようになったものの、『バッターがさしこまれる、ってなに?』 『ピッチャーが壁を作るって??』 と先輩アナウンサーや番記者にうるさく質問する毎日…。そんな “よちよち歩き” の私に、部長が初リポートの仕事を割り振ったのは、確か4月中旬頃。「5月11日、佐藤リポート」。リポートの仕事といえば、両チームから入ってくる選手のコメントを伝えることと、ベイスターズが勝った場合のヒーローインタビュー。プロ野球のヒーローインタビューなんてできるかしら…とすでにドキドキしながら勤務表を見ていたのが懐かしい。そのときは「まさか、石井琢朗選手の2000本安打達成と重なるはずなんてねぇ~」 と誰もが思っていたはず。

ところが、その 「まさか」 が起きたのです。

5月11日の前夜。石井選手がプロ野球史上二人目の大記録(=投手として公式戦で勝利をあげ、さらに2000本安打を達成!)をかけて臨んだ楽天戦は4対4のまま延長戦に突入。そして11回裏2死満塁、一打サヨナラの場面で打席に立ったのがなんと石井選手!サヨナラ打で記録達成となればもちろん史上初。 しかし石井選手は四球を選び、チームはサヨナラ勝ちを収めました。 その瞬間に出た言葉が、冒頭の私の一言だったのです。

翌日、5月11日、楽天戦の第一打席で石井選手は見事センター前ヒットを放ち、2000本安打を達成しました。試合中に球団関係者や、番記者、先輩アナウンサーが代わる代わる私のところへ来ては「おっ、佐藤がインタビュー担当か~」。しかしみんなの声を受け止める余裕が1回表の段階でなくなっていました…。アナウンサー生活7年目にして初めて体験する緊張。 そして…ついに迎えた試合終了。

フロアディレクターとお立ち台横で石井選手を待つ私は、仕事柄笑顔でいるものの、足がガクガク震え心臓はバクバク…。「石井選手の記録達成記念インタビューを傷つけないよう、頑張るしかない」 その一心でした。石井選手とともにお立ち台に上がってスタンドを見上げると…、数え切れないくらいのファンが石井選手の言葉を待っています。

『大変お待たせいたしました! 2000本安打達成の石井琢朗選手です!』…
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4分あまりのインタビューはなんとか無事に終わりました。私は自分のことで精一杯だったはずなのに、多くのファンの前で、彼らの声援に涙した石井選手を見て、もらい泣きをしそうになりました。球場を包み込む興奮に鳥肌が立ちました。

野球実況を担当するアナウンサーが全国にたくさんいるのに、ペナントレースは146試合もあるのに、なんで “よちよち歩き” の私が、こんな大事なインタビューを担当することになったのだろう。前夜はそればかり考えていました。球団関係者や選手がくれた 「良いインタビューだったね」 という言葉に、はじめて「自分が担当できた」 という嬉しさが胸にこみ上げてきました。野球についての勉強はまだまだこれからです。ただ、大事にしたいのは、5月11日、目の前で記録達成を目撃できた喜びと、石井琢朗選手の涙。野球の神様が私に教えてくれた 「野球の素晴らしさ」 を信じて、これからも野球の魅力をお伝えしたいと思います☆

日時: 14:43
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