時をつなぐ・ロマンスカー
かつてテレビが白黒の時代。パリーグの試合が中継されていた。「近鉄ナイター」という番組だったと思う。南海の杉浦忠、西鉄の稲尾和久、名投手のピッチングを審判の背中越しの映像で見た。幼い頃のプロ野球は夢とロマンに満ち溢れていた。
やがて「野球は巨人」の時代が訪れ、観客はセリーグに集中。パリーグの球場には閑古鳥が鳴いた。パリーグ苦難の時代は長く続いた。日本シリーズ3連覇の「上田・阪急」でも、客を呼べなかった。日本ハムのファン開拓への果敢な挑戦は20年以上も前に始まっている。現在のパリーグでは、福岡と札幌に人気球団が存在する。千葉の球団も大健闘。かつての常勝軍団・巨人と共に歩んで来たセリーグ。今では、東京、横浜、広島の3球団は、福岡、札幌、千葉の3球団に、観客動員数で上回ることが出来ない。パリーグでは、地域に密着した球団経営を徹底。永年の地道な努力がファンの心をつかんだ。巨人の人気に頼れないパリーグの環境が、新しい時代を切り開いた。
蝉しぐれの季節になる前に、もう一度箱根の仙石原に行くことになった。小田急ロマンスカーでの移動は、最新型特急「VSE」の展望席を予約。幼い子供たちと共に夏休みを楽しんだ昔に、想い馳せた。
箱根湯本では、山々の緑はすっかり夏の装いに変わった。湯本より気温が低い仙石原の木々には、まだ淡い緑が残っていた。季節の移ろいは早い。今度、仙石原を訪れるのは、ススキの穂が、秋を告げる頃かも知れない。仙石原高原のススキは、昔も今も変わらぬ風景で迎えてくれることだろう。
日時: 12:09

