2007高校野球

0003.jpg梅雨空を見上げて 「今日は試合ができるかなあ?」 と心配し、予想最高気温が32℃と出た日には 「よし!!」 と気合を入れ直し、大き目の汗拭きタオルを持って球場に出掛ける...今年もそんな季節がやってきました。

7月8日、194チームが集って行われた開会式直後の開幕試合、元石川対神田。「開幕試合の横浜スタジアムは緊張する舞台」 と言われたのは以前の事なのかなあ、と思わせる程練習の成果は存分に発揮され“両チームノーエラー” の締まったゲーム。

去年の夏は9回2アウトランナーなしから2点差を逆転、チームにとって10年ぶりの公式戦勝利を導いた先輩たちの大声援を受けた神田が勝ち名乗りを上げ、熱戦の幕が開きました。

今年の89回大会、tvkの高校野球中継のテーマは~野球(89)の勇者たち~

6月9日の組み合わせ抽選会が終ってから1,2回戦のTV中継が決まったチームを中心に今年も各校の練習にお邪魔しました。たくさんの勇者(選手)たちの決意に出会えました。

特待生問題の波間で5月は対外試合を経験できなかった、強豪校の選手は
「5月が僕たちの勝負の時でした。苦しい一ヶ月間にどれだけ歯を食いしばって、他校に負けない練習をできるかが甲子園行きを決めると思い頑張りました。」
と強い眼差しで話してくれました。

学校が統合して4年目、夏初勝利を目指すチームの中心選手は
「僕が一番尊敬している野球選手は兄です。3歳上の兄は中学校に入って野球を始め、中学3年間でレギュラーに届きませんでした。普通はもう高校では野球をしないと思うんです…でも兄は高校でも野球を諦めませんでした。結局高校3年間でもレギュラーにはなれなかったのですが、兄の休まず練習に取り組む姿勢と野球が好きだ!という気持は、今の僕を支えてくれています。」
と目を輝かせていました。

勝ち上がると優勝候補と言われている学校との対戦が控えている高校の3年生は
「もちろん勝ちたいです。 でも大会を間近にして、一番感じるのは 『自分は今のチームが大好きだ!』 ということ。今のメンバーとは一生キャッチボールをしたいなあ…と思います。」
と笑顔で語ってくれました。

もちろん選手だけではありません。監督、先生たちの言葉に含まれた “熱さと優しさ”。毎朝の練習に間に合う様に早起きしてお弁当を作り続け、試合の度に飲み物係を務め、チームを支えたお母さん、お父さんの表情。 「あいつら、本当に頑張っているから。」と応援を買って出た級友。

学校帰りの暗いバスの車内で「試合までに間に合わせたいから...」と指を痛めながら皆のお守りを縫い続ける女子マネージャーの姿も目にしました。

勇者たちが集う晴れ舞台。勝敗はもちろんですが、甲子園を目指す戦いの中で一人一人が信じた思いをしっかり伝えるために...雨にも、暑さにも、連日の寝不足にも負けない、私たちの勝負も始まりました。

text:吉井 祥博