アナウンサーズマガジン

画面では決して見ることの出来ないアナの表情が満載!番組への意気込みや裏話も アナ本人の文章で紹介。

backstage pass

全国高校野球 神奈川大会2010

tvkに来て、横浜スタジアムで行われる開会式の実況を初めて担当した90回記念大会、
横一列に並んだ191校が前進する景色に感動しました。



「高校野球をがんばってきた選手たちが、こんなにもいるんだ…」。

何年も初戦の壁を破れずに「今年こそは!」と意気込む3年生、
「いろんなことを教えてくれた3年生と、一日でも一瞬でも長く野球をしたい」と笑顔を見せた2年生。

今年は185試合が行われています。
そして甲子園出場をかけた舞台で行われる試合には、
参加する選手たちの分だけ想いがつまっています。

高校生たちが見せてくれる「熱い夏」に、今年は一歩近づいて仕事をしています。

初めて「野球の実況」を担当し、一、二回戦の3試合を実況しました。
が…、正直、かなり緊張しました。これまで他競技の実況は経験がありますが、それとはまったく違う緊張感を感じながら準備を進めていたのです。毎年のようにプロ野球選手を輩出するレベルの高い神奈川にあって、観客や視聴者のみなさんが持つ「野球を見る目」は他の地域より“厳しい!”と受け止めていました。

練習を重ねてきた2年近く、ルールーブックを読み、プロ野球の資料を整理しながら知識を頭に入れ…、といっても、小さいころから野球に親しんできた人には到底かなわないものがあります。

それでも、「実況デビュー予定日」が刻々と近づいてきます…。

正直、体重は減りました(笑)。しかし、本当に不思議なものです。放送席でヘッドセット(マイク)をつけ、試合開始のサイレンが鳴ると、「たくさん話を聞かせてくれたなぁ!どちらが勝つかな!」と楽しみな気持ちが突如湧いてきます。

解説を務めてくださる高校野球連盟の方に助けていただきながら、そして先輩アナウンサー、先輩ディクレターから本当にたくさんの助言や励ましの声をもらい、なんとか三試合が終了しました。

もちろん自分にはまだまだ「経験」が足りず、ここでどんな取材話を入れたら効果的か、解説の方にどんな話を聞くことが適切か、勉強が必要です。そして何より、目の前で泥まみれになりながら戦う選手のプレー&表情を伝えられるよう、がんばります!

さぁ大会終盤にむけて、今度は高校野球ニュースです!

こちらは、実況練習するようになり試合や練習の見え方も徐々に変わってきました。

「あの練習にはどんな意味があるのだろう」
「あの瞬間はなぜ強い気持ちを持てたのだろう」…。

試合後のインタビューでは高校生らしい表情を引き出せるよう、こころがけます。

勝った喜び、そして負けた悔しさと込められた想い…。
言葉を吟味しながら、原稿を作成。自分が足を運べなかった球場で取材した担当ディレクターから情報をもらうときには「どんな表情や雰囲気だったか」と必ず聞きます。勝敗にもいろんな形があります。

できるだけその「想い」を伝えたい!

そうして、番組は出来上がっていきます。
私の肌の色は番組を重ねるごとにブロンズ色になっていきますが…(笑)。

いよいよ、「甲子園」という山の頂がうっすらと見えてきました。
神奈川は186校が参加。シード校でも最低7勝しないと、山頂には到達できません。厳しい戦いです。

それだけに、勝っても、そして負けてもいろいろな思い出ができるのだと思います。
息子が高校球児で、今年3年生最後の夏なんです、というお父さんが言っていました。

「あれから、もう30年ですけれど、球場のこの雰囲気はまったく変わりませんよ!」

高校野球にたずさわる人の心のなかには、思い出は色あせることなく、熱い塊のように存在しているのでしょう。

決勝戦は29日の予定です。
猛暑日がつづく真夏の日々、熱い戦いをますます期待します!

by 佐藤亜樹